Event Report
03.10.2019
●テーマ:善通寺の本尊薬師如来像と運長 ●講師:三好賢子(日本彫刻史研究家) ●概要:善通寺が創建された当初の本尊は土(粘土)製の薬師三尊でしたが、永禄元年(1558)の火災で堂宇とともに失われてしまいます。その再興がかなったのは、江戸時代、18世紀はじめ、光胤住持の代でした。金堂再建の大プロジェクトにともない、本尊の薬師如来像は、京の「御室大仏師 北川運長」によって新調されました。今や、この一丈六尺の本尊は、県下でも有数の近世彫刻と言えるでしょう。善通寺には、この本尊の造立に際して、仏師と寺側で交わされた複数の文書がのこされています。また、近年の薬師像の調査ではその像内から納入文書が発見され、これまで知られなかった開眼供養日なども判明しました。これらの貴重な文書史料を紹介しながら、仏師運長や本尊造立の当時の様子などについて探っていきます。