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てくてく図鑑

AREA2

善通寺 誕生院(西院)


如来像頭部

にょらいぞうとうぶ

解説

藁苆入りの粘土で作られた塑像。永禄元年(1558)の三好実休の兵火により現在は頭部を残すのみであるが、当初は丈六(一丈六尺:身長約480cm)あるいは周丈六(中国周代の尺制に則った丈六:身長約320cm)の像であったと考えられる。顔の造作が大きく、うねりの強い目、への字に結んだ口元、豊かな頬の肉どりなど威厳のある顔立ちは、奈良時代半ばの天平盛期様式を彷彿とさせるもので、8世紀後半の製作と推測され、幼少の弘法大師も本像を拝していたとおもわれる。
元禄9年(1696)の江戸出開帳では、徳川綱吉の生母・桂昌院の照覧をえたが、その時制作された『霊仏宝物目録』(照覧用の出品目録)の筆頭に「土佛薬師如来」とあり、本像が弘法大師ゆかりの霊像として記載されている。出開帳は以後各地でおこなわれ、その浄財をもとに現在の金堂と堂内に安置される木造薬師如来坐像が再興された。

指定区分

構造

塑造・全高46.4㎝

年代

奈良時代

所在地

香川県善通寺市善通寺町3-3-1(宝物館)